こんにちは!
現役自動車営業マンの田中です!
ここ数日、立て続けに新車の1ヶ月点検で「思ったよりも燃費が伸びない」というご意見を頂きました。
新車を購入するときに「カタログ燃費の数値は実際の走行時は出ないでしょ?」と言われることが多いので、カタログ燃費よりも実燃費は悪くなるということはご存知なのだと思います。
しかし、その想像を上回っていたわけですね。
とはいえ、燃費が悪い原因も2つのことが考えられます。
- カタログ燃費と実燃費の計測時の誤差(仕方がない)
- それ以上に燃費の悪い運転をしている(改善できる)
前者であれば正直どうしようもありませんが、後者であれば少し気を付けることで燃費は改善されます。
というわけで、今回は「カタログ燃費と実燃費の乖離の原因について」みていきましょう!
ズバリ!カタログ燃費と実燃費はどれくらい乖離しているの?
ここはサクッとお伝えしていきますが、カタログ燃費と実燃費は、カタログ燃費に0.6~0.7を掛けた数値がおおよその実燃費と言えます。
これはウチの店舗に入庫する「新車 1か月・6か月点検」の車を見ても一般的な数値です。
自分の車の実燃費が「カタログ燃費×0.6以上」であれば、一般的な数値に収まっているということが言えますね。
ちなみに、私(田中)が実際に乗っているトヨタ・プリウスのカタログ燃費は30.4km/hですが、実走行燃費は17.5km/hです。
17.5÷30.4=0.57
「カタログ燃費の60%以下」なので、これは燃費がやや悪いです。
これは私の車の使い方に問題があると考えられます。
まずは「なぜカタログ燃費と実燃費の数値がそんなに変わるのか?についてお伝えします。
カタログの燃費数値「JC08モード」とは?
カタログを見ると走行燃費に「JC08モード」という記載があります。
このJC08モードは、国土交通省が定めた測定方法で得られる燃費数値です。
参照元:TOYOTA
JC08モードの前は10・15モードでしたが、より実走行の燃費に近付けた基準がJC08モードとなります。
JC08モードの測定方法
まずJC08モードは、実際に車を道路が走って測定しているわけではありません。
試験場の測定ローラーの上に車を乗せて、タイヤを回転させて測定させています。
その際の走行条件として、
- 渋滞のない平坦な道を走行
- エアコン、ワイパー、ライトなどの電装品は使用しない
などがあります。
参照元:国土交通省
10・15モードよりも測定条件は厳しいとされるJC08モードでも実走行の条件と比べればかなり緩いです。
実際、一般道を走っていれば信号もありますし坂道もあります。
夜はヘッドライトも付けますし、音楽も聞くでしょう。
そういったことを一切考慮せずにコンピューターで計測しているのが「カタログ数値」ということです。
ですから、当然カタログ数値と実走行の燃費は大きく差が出てきてしまいます。
その上で、一般的に車を使用した際「カタログ数値の60%」くらいまで燃費が下がっても、一般的な車の使用状況ということが言えるわけです。
カタログ数値と実燃費に差がでる原因とは?
カタログ数値と実燃費の差ですが、いくつかの理由があります。
一般社団法人・日本自動車工業会の発表によると、カタログ数値と実燃費の差を100%とした場合、以下のような要因が大きく影響するとされています。
- 使用環境(20%)…寒暖・道路状況
- 電装品(30%)…ライト・エアコン・オーディオ
- 使い方(50%)…アクセルワーク(加減速)・走行距離
使用環境
JC08モードでの使用環境は「渋滞のない平坦な道を走行」していると仮定して測定しています。
しかし、実際に走行すれば「信号待ち」もあれば「坂道」もあります。
ちなみに、勾配4%以上の坂道では燃費が1割下がるとされています。
また寒暖でも燃費状況は変わります。
冬の寒い日であれば車が暖気されるまで時間が掛かります。
暖気前はエンジンオイルなども摩擦抵抗が高いため、それだけエンジンを動かす効率も下がります。(燃料を使用する)
雨の日や雪の日も燃費に影響を与えます。
JC08モードのような渋滞も無い平坦な道を走行する環境というのは、なかなか一般生活では無い状況です。
「近くのスーパーへ買い物に行く時しか車は使わない」という場合は、燃費は悪くなりがちです。
私のプリウスの燃費が伸びない原因はここでしょう(苦笑)
そのためカタログ数値と実走行燃費の差が生まれる要因となり、燃費差を100%とした場合、約20%を占めるとされています。
電装品
「オーディオやヘッドライトなどの電装品が燃費に関係あるの?」と思われるかもしれませんが、車の電気もエンジンを動力にして発電させているので燃費に影響を及ぼします。
とくに燃費に影響を与える電装品としてパッと思いつくのはエアコンです。
春秋と比べると夏場のエアコン使用時1割以上変わるといわれています。
またエアコンの温度設定で燃費が変わると思っていらっしゃる方もみえますが、じつは車のエアコンは家のエアコンと仕組みが違うので、温度設定によって燃費に変化はありません。
たしかに家のエアコンであれば省エネで無駄に冷房を使用しない方が電気代にはやさしいです。
しかし、車のエアコンは一旦冷却させてから適温に暖めているので、震えるほど寒く車内を冷やしても、適温に温度を設定しても燃費は変わらないのです。
使い方
車の使い方は、最もカタログとの燃費差が生じる所です。
アクセルを踏み込んでの急発進に急停止、走行距離も短い距離ばかりでは燃費は伸びません。
ここでは燃費をよくするためのポイントをご紹介します。
燃費のよい速度は?
平均速度60~70km/hまでは燃費が上がります。
平均速度で60~70km/hですから、現実的には渋滞の無い高速道路でないと無理でしょう。
ちなみにJC08モードは平均時速24.4km/hでの燃費で計算されています。
また急発進・急停止・急加速は燃費をかなり悪化させます。
アクセルワードで1割変わることもあると言われていますから、燃費を上げたい方は丁寧な運転を心掛けるようにしましょう。
アイドリングストップは効果的なのか?
最近の車には、信号待ちでエンジンを停止させて燃費向上を狙う「アイドリングストップシステム」が搭載されている車種も多いです。
よくお客様に「アイドリングストップで燃費向上になるの?」と聞かれますが、5秒以上アイドリングストップさせているなら燃費向上に繋がります。
ですが、逆にアイドリングストップして5秒以内にエンジンをかけることを行っていると、アイドリングストップさせてない時よりも燃費は悪くなります。
これは、エンジンをかけるのは、ただアイドリングさせているよりも燃料を消費するからです。
車の整備をきちんと行う
車の状態が悪いと燃費も落ちます。
- タイヤの空気圧が低い
- エンジンオイルが汚れている
- エアフィルターが汚れている
というのは、燃費に影響を及ぼします。
タイヤの空気圧が低いと、タイヤが転がす力が余分に必要ですし、エンジンオイルが汚れていれば摩擦抵抗が上がります。
またエアフィルターが汚れていれば、空気の中に不純物が混ざり燃焼効率を下げてしまいます。
車のメンテナンスは、燃費向上にも繋がっているのです。
暖気運転は燃費向上に繋がるのか?
「冬場は暖気運転した方が燃費によいの?」ということをお客様に聞かれたことがあります。
たしかにエンジンが暖まりエンジンオイルが馴染んだ方が摩擦抵抗が下がるので燃費は上がりますが、だからといって暖気させている間のアイドリングで消費される燃費を考えると、気にせず走り出した方が燃料の消費量は少ないですし、車も早く暖まります。
結論を言えば、暖気運転は燃費向上には繋がりません。
まとめ
カタログの燃費と実走行の燃費についてまとめます。
- JC08モードの数値に0.6~0.7を掛けると実走行燃費
- 使用環境によって良くも悪くも燃費は変わる
いかがでしたでしょうか?
燃費については、どうしても個人差が出ます。
極端な話、家が坂の上に建っている方でも燃費は変わりますし、春秋の燃費と夏冬の燃費にも差が出ます。
ですが、今まで私が販売して点検入庫して頂いたお客様の実走行の燃費を見ると、JC08モードの数値に0.6~0.7を掛けると平均的な実燃費になりますから、新車購入時には参考にしてください。
また燃費をよくするためには、エコドライブを心掛けるのが一番です。
丁寧な運転で燃費にも環境にも優しい運転を心掛けていきましょう!
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