こんにちは!
自動車整備士のまいこです!
「セルモーターが故障してエンジンがかからない!?」
セルモーターとは「エンジンを始動させるためのモーター」なわけですが、セルモーターが故障すると、
- イグニッションスイッチ(キーを回す所)を操作しても「カチッカチッ」という小さな音しかしない
- 完全にセルモーターが作動しない
というような症状となり、エンジンを始動する事が出来なくなります。
ただ、他にもセルモーターを始動後「ギギギ」や「ギャー」という大きい異音が発生することもあります。
しかも、この症状が悪化すると「エンジン側にダメージを与える」恐れがあり早めの対処が必要で、放置しておくと10万円単位の高額修理になってしまうことも考えられます!?
というわけで、今回は「セルモーターの故障について」詳しく解説していきましょう!
セルモーターの異音!考えられる2つの原因とは?
セルモーターが故障しても基本的にはセルモーターを交換してしまえば始動時に「ギャー」というような異音が聞こえる場合は、以下の2つの不具合が考えられます。
まず1つ目は「セルモーター内部のベアリングの異常」です。
経年劣化によりベアリングが金属疲労を起こしてしまうので改善するにはセルモーター自体を交換するしかありません。
修理費用は車種によって変わりますが、リビルト品でセルモーターの交換をして30,000円くらいです。
そして、もう1つの原因は「ピニオンギア」ですが、こちらは放置しておくと大変なので早急な対応が必要です。
セルモーターの異音を放置しておくと高額修理の可能性も!?
まず、ピニオンギアについて簡単に説明します。
冒頭でセルモーターは「エンジンを始動させるためのモーター」とお伝えしましたが、ピニオンギアがエンジン側と直接接触する部分となります。
またピニオンギアが不具合を起こす原因もあるのですが、問題は金属疲労を起こしてすり減ってしまい「上手く噛み合わずに異音が発生している」という症状です。
この症状を放置しておくと、ピニオンギアだけではなくエンジン側のリンクギアまで削れて「最終的にはセルモーターは回っているのにエンジンをかける事が出来なく」なります。
そうなると修理にはセルモーターとリングギヤの交換が必要で「10~20万円程度の高額修理」になってしまいます。
セルモーターが故障する原因はいくつかありますが、修理費が高額になる可能性を考えると「異音が発生している」状態が危険です。
但し、セルモーターの故障の症状として異音が必ず出るわけではなく、むしろ「カッ」と小さく音がして動かない方が多いかもしれません。
続いて「セルモーターが動かない原因について」お伝えしていきましょう!
セルモーターが回らない!考えられる原因は?
セルモーターが動かないのは、必ずしもセルモーターの故障が原因とは限りません。
例えば、意外とご自身の操作ミスというケースも多いです。
- AT車 … P(N)シフトに入っていない、ブレーキを踏んでいない
- MT車 … クラッチとブレーキを踏みこんでいない
- ハンドルロックがかかっている
また、こういった操作ミス以外で考えられる原因は以下となります。
インヒビタスイッチの不良
先程のAT車で「P(N)シフトに入っていない」とセルモーターが動かないとお伝えしましたが、インヒビタスイッチはシフト位置の検出を行なうスイッチです。
こちらが接触不良などを起こして「Pシフトに入っていない」と検出されるとセルモーターは回りません。
セルモーターに電気が流れていない
バッテリー上がりはもちろんですが、バッテリーに問題がないのにセルモーターが回らないのは「ハーネス」などの配線類の不具合も考えられます。
ちなみに、キーを回してカッと小さい音がしたら「セルに電気は流れている」と判断できます。
ただ、セルモーターを回すには「大きな電流」が必要です。
エンジンやミッションのトラブル
バッテリーやセルモーターに異常がないのにセルモーターが回らないのであれば「エンジンやミッションに不具合がある」可能性も出てきます。
セルモーターはエンジンを始動させるモーターですが、エンジン側が動かないのでセルモーターも回れないという状態ですね。
セルモーターが故障している時の応急処置!?
ちなみに、セルモーターの故障には先で解説したベアリングやピニオンギア以外に「マグネットスイッチ」もあります。
ちょっと乱暴な説明ですが、マグネットスイッチは金具部分が接触する事で「電気を流す」仕組みになっています。
逆に言うと「金具部分が接触しないから電気が流れない」ので、棒でコンコン叩くとセルが回復することがあります。(あまりお勧めはしませんが)
おわりに
いかがでしたか?
今回は「セルモーターの故障や動かない時の原因について」お伝えしてきました。
実際そう頻繁に故障する部品ではないですし、最近では信号待ちでエンジンが切れるアイドリングストップ車でも「故障が増えたという話は聞かない」です。
ただ、セルモーター始動時に異音が発生するのであれば注意が必要です。
基本的にセルモーター本体が故障した場合は「まるっと交換」してしまうことが多いですが、異音が発生する場合はエンジン側にも不具合を発生させる恐れがあります。
「異音がするけどエンジンがかかるから放置」というのは一番対処としては良くありません。
セルモーターが動かないとレッカーのお世話になるので、セルモーターの調子が悪いと感じたら早めに点検を受けて下さいね。
以上「セルモーターの故障なの?異音が聞こえる時に考えられる原因とは!」でした。
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