こんにちは!
自動車整備士のまいこです!
夏や冬の季節はタイヤ交換のお話をよく頂きます。
通常の夏タイヤからスタッドレスタイヤに変更したり、またその逆も然り。
タイヤ交換の時期に合わせて「タイヤのサイズを変更したいんだけど大丈夫かな?」という相談もよく受けます。
確かにタイヤは、
- 数字やアルファベットをどう見ればよいか分からない
- どれくらいサイズを変更して大丈夫なのかも分からない
と、わからない事だらけです。
というわけで、今回はタイヤの基礎知識として、「タイヤサイズの見方」や「タイヤのサイズを交換するメリットやデメリット」についても解説していきます!
タイヤのサイズはどうやって見るの?
車にいろいろな大きさがあるようにタイヤにもサイズのバリエーションが多く存在します。
タイヤをよく見てみると側面にこのような数字が表記されています。
一見すると何のことか分からないですが、これは各メーカー独自のスペック表記ではなく、ISOなど規格に則った表記方法です。
そのため一度覚えてしまうとあらゆる車種・タイヤでもサイズが読めるようになります。
参考元:ヨコハマタイヤ
聞きなれない専門用語がたくさん出てきますが順番に解説しますね。
断面幅(mm)
タイヤ自体の横幅を表しています。単位はmmです。
ただし、先の画像で「ENASAVE」と書かれているような部分(サイドウォール)は含みません。
偏平率
偏平率とは、端的に言えばタイヤの厚みを表し、「タイヤ断面高さ÷タイヤ断面幅×100」で計算できます。
偏平率が低い数値になるほど薄いタイヤとなります。
また、偏平率が低いと
- ハンドル操作が機微になる
- ハンドル操作が重くなる
- 乗り心地は悪くなる
- 見た目はカッコいい
というようなメリット・デメリットが出てきます。
タイヤ構造記号
タイヤ構造には「バイアス構造」と「ラジアル構造」があります。
先の画像の「R」はタイヤ構造記号で放射線状を表す「radial(ラジアル)」の頭文字をとっています。
バイアス構造
バイアス構造は、ラジアル構造が開発される50年くらい前の構造でメリットは生産コストが安いことから、現在でもトラックやバスで使用されています。
ちなみにバイアス構造のタイヤの表記は「 6.45-13 4PR」のように表示され、
- 6.45…断面幅(インチ)
- 13…リム径(インチ)
- 4PR…強度
を表します。
ラジアル構造
現在の乗用車のほとんどはラジアルタイヤです。
ラジアル構造は、バイアス構造に比べて
- 転がり抵抗が小さく燃費が良い
- タイヤの寿命が長い(摩耗が少ない)
- 高速走行時の耐久性に優れている
- グリップ力が高く、操縦安定性に優れている
という利点があります。
リム径
リム径とはタイヤの内径です。
タイヤとホイールの接合部分になるので、ホイールの外径でもあります。
単位はインチです。
ロードインデックス
ロードインデックスは、タイヤ1本が支えることが出来る荷重能力(kg)を表します。
表記数値がそのまま負荷能力(kg)というわけではなく、指数で規格化されています。
参考元:ダンロップ
この規格は、スタンダード規格です。
他にレインフォースド規格(EXTRA LOAD規格)というタイヤもあります。
簡単に言うと「空気がいっぱい入るタイヤ規格」です。
インチアップして負荷能力が下がった時などに活躍しますが、こちらも解説すると難しくなるので今回はちょっと置いときます。
速度記号
そのタイヤが規定の条件下で走行できる最高スピードを表します。
参考元:ダンロップ
と、ここまでのことがタイヤの横の「165/65R14 79S」などの記号から読み取れます。
1つ1つ照らし合わせて見ていくと思ったよりも簡単ですよ。
このタイヤをサイズを読んでみよう!
はじめは何が書いてあるのかわからなかったタイヤの記号も、
1つ1つ見ていくと、
- 165…タイヤの断面幅が165mm
- 65…偏平率が65%(タイヤの厚み)
- R…ラジアルタイヤ
- 14…タイヤの内径(ホイール外径)が14インチ
- 79…タイヤ一本で437kgの重量に耐えられる
- S…最高速度は180km/h
という性能のタイヤだということがわかりました!イエイ!
タイヤのサイズ変更とは具体的に何を変更するの?
さて、タイヤのサイズの見方がわかった所でタイヤのサイズ変更の話に移りましょう。
タイヤのサイズを変更するというのは、リム径(インチ)を変更するということです。
リム系…タイヤの内径、ホイールの外形
ですから、タイヤ(ホイール)を「インチアップ」するというのは、リム径のサイズをアップするということです。
参考元:ダンロップ
逆にリム径を小さくする場合は、「インチダウン」と言います。
タイヤサイズを変更する際のルール
タイヤサイズを変更する前にルールを確認しておきましょう。
場合によっては車検に通らなくなるので気をつけて下さいね。
外径は変わらないようにする
タイヤの外径が変わるインチアップをすると、タイヤの直径が変わるのでスピードメーターに誤差が生じます。
誤差がヒドイと車検に通らない場合がありますので、外径は変えないようにしましょう。
タイヤが車体から出ないようにする
車体からタイヤがはみ出ていても車検に通りません。
タイヤの断面幅を広げる場合に注意して下さい。
ロードインデックスが標準タイヤよりも下がらないようにする
ロードインデックスが標準タイヤよりも下回らないようにしましょう。
車を支えられなくては当然ですが危険です。
空気圧に注意する
インチアップして偏平率が下がると通常タイヤよりも空気が入る量が少なくなります。
するとタイヤが支えらる重量が下がります。
そのため空気圧を高めに入れることで荷重能力をアップさせます。
適正な空気圧は、交換したカーションプで確認しておきましょう。
タイヤサイズを変更(インチアップ)するメリットは?
タイヤサイズを変更することで、生まれるメリットについて解説していきましょう。
まずタイヤサイズを変更する一番の理由は…、
見た目がカッコ良くなる!
こちらは左が純正ホイールで、右側が社外アルミホイールです。
アルミホイールをインチアップする事で、デザイン面が広くなり見た目が良くなりますよね。
やはりコレがタイヤサイズを変更する一番の理由でしょう!
操作性が向上する
ホイールをインチアップすることで、タイヤの断面高さ(サイドウォール)は狭くなります。
タイヤの断面高さが減るのに、今まで通りの断面幅だと従来のタイヤに入っていた空気量よりも少なくなります。
そのため、一般的にインチアップをする場合は、断面高さが狭くなる分、断面幅は広げます。
断面幅が広くなる分、通常サイズのタイヤよりもグリップ力が向上します。
また、グリップ力が向上するので、コーナーリングでの操作性も向上します。
さらに、断面高さが狭くなる分、タイヤのたわみ(フワフワ感)がなくなるので、中高速時での操作性が安定します。
<インチアップで得られる操作性のメリット>
- グリップ力の向上
- コーナーリングでの操作性向上
- 中高速時の操作性が安定
タイヤサイズを変更(インチアップ)するデメリットは?
タイヤサイズを変更することは良い事ばかりではありません。インチアップする事で、
- 地面との接地面が広くなり摩擦抵抗が増える
- タイヤの厚みが薄くなることで衝撃の吸収性が落ちる
- タイヤの重量が重くなる
ので、いくつかデメリットも生じます。
燃費が悪くなる
インチアップすることで、摩擦抵抗が増え、タイヤの重量も増えます。
そのため通常のタイヤサイズの時よりも燃費は悪くなります。
一概に言えませんけど、お客さんの声では5%~20%減くらいは落ちるようです。
段差に気を使う
タイヤの断面高さが狭くなることで衝撃を吸収する点が落ちます。
そのため、ちょっとした段差でも気にせず「ドンッ」と突っ込めば、タイヤが破れたり、ホイールが歪んだりする場合があります。
どうしても段差を超えないといけない時は、そっと入るように気をつけないといけません。
走行音が大きくなる
タイヤとの接地面が広くなるので、音が大きくなります。
ですが、タイヤによっては走行音が軽減できるタイプもあるので一概には言えません。
ハンドルは重くなる
タイヤと地面との接地面が大きくなり抵抗が増すのでハンドル操作は重たくなります。
このように書くとデメリットの方が多くなりますが、デメリットを抱えても「見た目カッコイイ方が良い!」と思って行うのがドレスアップですよね。
タイヤを長持ちさせるための手入れ方法
せっかく新しくしたタイヤですから、長く使いたいですよね?
というわけで、タイヤを長持ちさせるための手入れについて少しアドバイスします。
よくカーショップに行くと「タイヤの艶出し」みたいなケミカル用品を見かけますが、じつはタイヤにはよくありません。
ゴムの寿命を延ばすための老化防止剤が落ちてしまい劣化やひび割れの原因となります。
ゴムは石油系の溶剤にとても弱い性質を持っていますから、ボディ・ホイールの保護材、グリス、オイルなどもタイヤに付着しないよう気をつけて下さいね。
また、洗う時も出来れば水だけで高圧洗浄機やブラシを使って汚れを落とし、どうしても汚れが残る場合、中性のカーシャンプーを規定通り薄めて使います。
洗剤は中性であっても残らないようにしっかりすすぎましょう。
まとめ
今回はタイヤについてお話してきました。
- タイヤのサイズの見方は覚えると簡単!
- インチアップにはルールがあります!
- タイヤのケミカル用品は劣化させる原因になることも!
というようなポイントがありましたが、これだけ知っておくだけでもカー用品店の店員さんの説明がスッと入るようになると思います。
いかがでしたでしょうか?
じつは、私もタイヤのサイズを見るのが苦手だった時期がありました。
偏平率とかリム径とか専門用語が馴染めなくて混乱してたのですが、一緒にインチアップのメリットやデメリットを考えるとイメージが出来て覚えやすかったです。
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