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車の修復歴の基準について!板金修理したら事故車扱いになるの?

いらっしゃいませ!

現役の自動車営業マン田中です!

田中さんあいさつ

先日、ブログを読んでいただいている読者さんから「車って板金修理の仕方で修復歴ありの車になったり、ならなかったりしますか?」というナイス質問頂きました。

ちなみに、この読者さんは2回目の質問ということで、私的には2台目の車を購入してもらったくらいのお得意様という感覚です。いつもあざーす!!

今回の質問を頂いて、思い返せば私も若い時に車のドアをぶつけて「これって事故車になるのかな?」と心配していたことがあります。

そして「これをどうやって修復すれば車を売る時に査定が下がらないだろう」と頭を悩ませていました。

ですが、車の修復歴はドアやバンパーがちょっと凹んだとか傷がついた程度では修復歴にならず、修復歴ありとなるには、じつは「明確な基準」があるのです。

しかし、これを専門用語で解説すると凄くわかりにくいので、今回は「修復歴の基準」について出来るだけ簡単に実際の写真を見ながら解説していきます。

 

 

まずは「修復歴の基準」について解説します

はじめに結論からお伝えすると、車が修復歴ありとなるのは「骨格(フレーム)を損傷がある。または修復した場合」です。

冒頭でも少し触れましたがドアやバンバーなどの外装が少しへこんだり傷がついた程度では修復歴ありにはなりませんし、直すのなら綺麗にやった方が良いでしょう。

でも、ここで少し疑問です。

なぜ外装はセーフで、骨格(フレーム)を修復するとアウトなのでしょうか?

骨格がゆがむと全体に影響がでる!?

車のフレームは2種類あります。

  • モノコックフレーム(ボディを含めて骨格になっている)
  • ラダーフレーム(フレームの上にボディを乗せている)

ラダーフレームはオフロード車に少し採用されていますが、一般乗用車のほとんどはモノコックフレームを採用しています。

そして、それをイメージするのにダイハツの初売りで貰った「お菓子の箱」を見てみましょう。

 

車のフレームが歪むイメージ

このダイハツ・キャストの箱を「モノコックフレーム」と見立てていきましょう。

イメージとしては「角の部分」が構造の柱と考えて頂ければOKです。

左フロントからの衝突事故です。

衝突した左フロントは大破です。

左フロントドアまで捻じれが生じる大きな衝撃でした。

さらに、これを正面から見ます。

赤点線を見ると左フロントだけではなく骨格部分に歪みが出ていることがわかります。

なんだったら気持ち天井まで歪みが出ていそうです。

このように一部の骨格が歪むと全体的な構造にも歪みが生じるため、修復歴ありというのは「骨格を基準に」見るのです。

 

修復歴ありと見なされる箇所は?

上記を踏まえて「専門的にきちんと」見ていきましょう。

参照元一般財団法人 日本自動車査定協会 東京都支所

  1. サイドメンバー
  2. クロスメンバー
  3. インサイドパネル
  4. ピラー
  5. ダッシュパネル
  6. ルーフパネル
  7. フロア
  8. トランクフロア

また画像にはありませんがラジエーターの上部に「コアサポート」という箇所があり、こちらも交換すると修復歴ありと見なされます。

これら以外のボルトで固定されているドアやバンパー、フェンダーだけであれば「走行に支障がない範囲」となり、修復歴ありとは見なされないわけですね。

 

これらの骨格(フレーム)部分に外部からの力が加わると、他の箇所にも影響が出て「走行に悪影響が出る」可能性があります。

ですから「見た目は綺麗だし安いからいいや」と、よく分からずに修復歴ありの車を購入するのはおすすめしません。

中古車で修復歴ありの車を購入する場合は、きちんと

  • どこを直しているのか説明を受ける
  • 試乗させてもらう

ようにして購入後に後悔することのないようにしたいですね。

 

 

実際に修復歴ありの車を見てみましょう!

せっかくなので今日オークションに行って「修復歴あり」の箇所を写真に撮ってきました(笑)

実際は細かい部分までライトを当てたりして確認するのですが、スマホ撮影では限界があるので「どんな感じで見ていくのか参考」として見て頂ければと思います。

では、いってみましょう!

 

比較的分かりやすい「修復歴あり」の車

年式も新しいホンダのFitです。

こちらのフロントまわりを見ていきましょう!

まずはボルトを確認します。

工具をあてたような傷があれば「脱着したな」と判断できます。

「むむっ!」

ボルトの山に傷があるのと、ボルトが付いていた跡があるけど塗装が綺麗なので「フェンダーを脱着して塗装したな」と考えられます。

フェンダー裏側の「インサイドパネル」を見ていきましょう。

ボルトの脱着跡のない右側参考に見て…

「なんか色が違うー!」

これは交換していると見てよさそうです。

一応、他のところも確認です。

右側と比べるとフェンダーの位置にズレを感じる。

ちょっと内側を覗いてみましょう。

「ボルトの山の塗装ハゲてるー!」

 

ちなみに、こちらの車は

  • コアサポート
  • フロントクロスメンバー
  • 左インサイドパネル一部

上記を交換のため「修復歴あり」とされます。

 

修復歴になると思わせて違うパターン

トヨタのスペードです。

こちら、

  • コアサポート
  • フロントクロスメンバー
  • 左フロントサイドメンバー

で「修復歴あり」でした。

 

同じようにボンネットを覗いていると、

「結構ガリッとした傷があります」

これは何か歪んでるんじゃないの?

「これが曲がっているー!」

「ボンネットの内側で歪んでるから修復歴ありになるかもー!?」

と思わせて、ボルトで脱着可能の箇所なのでここは関係ありません。

ただ、クロスメンバーとサイドメンバーからの歪みが原因でボンネットと干渉したのかもしれませんので「何かあるな?」と疑うのはありです。

 

 

修復歴ありは何点なの?車の評価点について

オークションに行けば車は「評価点」という基準で程度の良し悪しを知ることが出来ます。

以下の表が実際にオークションで採用されている評価点の基準となります。

 

評価点 走行距離 内装評価 外装評価 内外装の程度
S点 10,000km未満 A A ほとんど無傷、無補修であるもの。
(登録後1年未満)
6点 30,000km未満 A A ほとんど無傷、無補修で、加修の必要のないもの。
(エンジンおよび足回り関係が良好であること)
5点 60,000km未満 A A 目立たない傷、凹はあるものの、
内外装ともほとんど加修の必要のないもの。
外装部品の交換のないもの。
(エンジンおよび足回り関係が良好であること)
4.5点 100,000km未満 B B 内外装とも軽微な補修をすることにより5点に準ずるもの。
4点 150,000km未満 C以上 C以上 目立つ傷、凹、錆、焦げ、破れが少々あり、加修が必要と思われるもの。
3.5点 150,000km未満 D以上 D以上 大小の板金や加修を必要とする所が数ヶ所あるもの。
多数の焦げ穴、破れ等があるもの。
3点 E以上 E以上 全補修、交換、張り替えを必要とするもの。
2点 商品価値の低いもの。錆びてボルトが回らない、穴が開いているなど
1点 改造車、災害者(塩害、雹害、冠水車等)、粗悪車、競技車。
R点 修復歴車
×点 極端な低年式車、レプリカ車、クラシックカー等の、評価の困難なもの

こちらを見ると修復歴ありは「R」点と記載され、程度の軽いものは「RA」、R点で錆びてボルトが回らないなど2点の状況の車は「R2」とされます。

 

一般的にオークションで買ってきて「綺麗な車」と思えるのは4.5点まで。(私が思うにですが)

4点、3.5点になると傷など目立つ印象を受けますが、これも検査員の判断次第の部分もあって3.5点になってるけど「4点くらいの綺麗さだな」ということもあります。(逆も然り)

これを踏まえて「これで修復歴なしなの?」という例を見ていきましょう。

 

これでも骨格まで影響が無ければ修復歴ありじゃない!?

フェンダーが「ベコッ」とへこんで錆びていますが、これでは修復歴ありになりません。

同じ車の写真です。さらに「こすり傷」に「へこみ」があり錆びも出ています。

バンパーも当たって外れていますね。

さらに…、

バックドアも歪み、反対側(左)のフェンダーもボコボコです。

右から左から後ろから何に襲われたのが気になりますが、出品票では「3点」の車です。

これだけ外装がへこんでいても、骨格に損傷が無ければ「修復歴なし」の車となります。

 

「修復歴あり」と「事故車」の違いについて

一般的に「修復歴あり」の車を「事故車」と呼ぶ方もみえますが、事故を起こしていなくても「修復歴あり」になることは多々あります。

例えば、縁石に乗り上げてしまいクロスメンバーに当たって歪みが出た場合などは、悲しいですが「事故していないのに査定では修復歴あり」とされる可能性があります。

そのため、私たち自動車業界の人間は「修復歴あり」と「事故車」は使い分けをしています。

では、私たちが言う「事故車」とはどういった車のことを言うのでしょうか?

 

事故に遭った状態のままだと「事故車」

事故車は「事故にあった車のこと」であることは当然ですが、それでもきちんと修復していれば「修復歴あり」です。

自分で言っていて「事故車ってどういう時に使うかな?」と考えたのですが、私たちが事故車というと「事故に遭った現状の車」を指します。

 

ちなみにオークションでも「事故現状」というコーナーがあります。

オークションでコーナーがある以上、上記のようなエアバックが開いているような事故車でも価値はあるので「どうせボロボロだし廃車してもらおう」というのは少し勿体ないです。

こういった事故車を専門に買取を行う会社があるのでご紹介します。

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まとめ

いかがでした?

今回は「修復歴車の基準」について解説してきました。

田中さんあいさつ

ポイントをまとめると以下のような点となります。

  • 骨格(フレーム)に歪みなど影響があると「修復歴あり」
  • ドアやバンパーの交換修理は「修復歴なし」
  • ただし「評価点」で判断され修理の程度が悪いと評価は下がる

 

また自走できないくらいの大きな事故に遭った場合でも、廃車と諦める前に一度「事故車買取査定」を依頼してみましょう。

私も一度 事故車買取 TAU(タウ) に相談したことがありますが、フロント半分つぶれた軽トラックを45万円で買い取って貰ったことがあります。

もちろん年式や距離などで大きく査定額は変わると思いますが、良いところで10万円と思っていたので想像以上に満足いく査定でした。

興味のある方は是非!

 



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寛ぐまいこ

 


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