こんにちは!
現役の自動車整備士まいこです!
今回は「車から聞こえるキュルキュル音について」話をしていきましょう。
車のエンジンを掛けたり、エアコンをONにするとボンネット付近から「キュルキュル!」と結構大きな異音がすることがあります。
これをネットで調べてみると「ファンベルト」が原因と解説されていることが多いです。
「ふむふむ。」
確かにそれも間違いではありませんし、車のキュルキュル音は「ベルト類に問題がある」ことが多いです。
ですが、だからと言って異音の正体がすべてファンベルトというわけではありません。
じつは、それ以外にも車からキュルキュル音が聞こえる原因はあるんです。
今回は「現役の自動車整備士の名に懸けて(金田一少年の事件簿風に)」車のキュルキュル音について、しっかりと解説したいと思います!
車のキュルキュル音!ファンベルト以外の原因は?
まず車からキュルキュル音が聞こえたら一番初めに疑うのは「補機ベルト(ファンベルトなど)」です。
ちなみに「補機ベルト」というのは、ファンベルト、クーラーベルト、パワステベルトのことで、これらのベルトはそれぞれ劣化が進むとキュルキュルと異音を発生させます。
ただ今回は「ファンベルトについては記事後半で詳しく解説」していきますので、まずは補機ベルト以外の原因についてみていきましょう。
結構あります!プーリーからのキュルキュル音
キュルキュル音の原因で補機ベルトを除けば、次に多いのは「プーリー」だと思います。
プーリーとは、ファンベルトなどを掛けている車輪のことです。
このプーリーには、
- クランクプーリー
- オルタネータープーリー
- ウォーターポンププーリー
- エアコンコンプレッサープーリー
が、それぞれあり「クランクプーリー」を軸にベルトを通して、エンジンの力を各部品(オルタネーター、ウォーターポンプ、エアコンコンプレッサー)に伝えています。
そして、このプーリーは内側と外側で2つに分かれており「内外輪が追従して回らない」と、スリップしてキュルキュル音を発生させる原因になります。
では、なぜ内外輪が追従してきちんと回らないかというと、さらに内部の「ベアリングが摩耗している」ことが考えられます。
つまり「車輪の内側に隙間がある」ので空回りを起こしているようなイメージです。
そのため、プーリー(ベアリング)に異常があると、キュルキュル音以外にも「カラカラ」「カタカタ」という音もします。
プーリー(ベアリング)の交換費用は?
プーリーが壊れた場合は、もう交換するしか方法はありません。
交換が簡単な軽自動車であれば15,000円程度からですが、どちらかと言えば数万円は覚悟した方が良いです。
「結構するからDIYでなんとか出来ないかな?」と思われる方もみえますが、プーリーを固定しているナットはかなり固いので知識があっても工具が揃っていないと厳しいです。
出来れば整備工場にお任せしたいレベルだと思います。
エアコンコンプレッサーの異常でもキュルキュル音!?
次に多いのがエアコンコンプレッサーの異常です。
エアコンコンプレッサーからの異音の原因は「マグネットクラッチ」が原因のことが多いです。
これは「盤と盤をくっつけて力の伝達を行う」のですが、この接触がすべってもイオンを発生させます。
エアコンコンプレッサーの異音で以下の動画を見つけましたので参考にどうぞ。
音を聞くと「ベルトがすべってるだけかも?」という気がしなくもないですが、動画投稿者のコメントにコンプレッサーの内部異常が原因とありましたので信じます!
結構エアコンコンプレッサーがダメになるとこれくらいの大きな音を出します。
マグネットクラッチの交換費用は?
マグネットクラッチが壊れた時は、
- マグネットクラッチだけの交換
- エアコンコンプレッサーごと交換
で、値段は変わります。
マグネットクラッチだけの交換でも、おおよそ4,5万円の交換費用が掛かると思いますが、エアコンコンプレッサーごとだと10万円は覚悟しておきましょう。
また、出来ればこういった電装品の修理はディーラーではなく「専門の車の電気屋さん(電装屋)」がありますので、そちらで見てもらった方が良いかもしれません。
マグネットクラッチを交換する時はエアコンコンプレッサーも取り外すので「だったらコンプレッサー交換した方が早い」と判断されることもあります。
交換費用を抑えるためにも検討してみてくださいね。
ファンベルトの異音について詳しく解説!
車のキュルキュル音の原因で補機ベルト以外を解説してきましたが、やはり最も多いのは「ベルト鳴き」です。
車によってはベルト1本で全てのプーリーに掛かっているタイプもありますが、少し前はベルトも2~3本とそれぞれ分かれていたので、
- ファンベルト…エンジン始動で異音が発生
- パワステベルト…ハンドルを切ると異音が発生
- クーラーベルト…エアコンをONにすると異音が発生
と原因が特定できました。(でも交換する時は3本とも新品にしますが)
では、この「ベルト鳴き」一体どういった原因で発生するのでしょうか?
ベルト鳴きが発生する理由は?
ベルト鳴きする原因はいくつかありますが、結局は「ベルトが滑る」ことです。
ベルトはゴムで出来ているので温度によっては硬くなったり、汚れが付着すると「ベルトとプーリーとかみ合わず滑りやすく」なってしまいます。
プーリーは高速回転しているので、それにベルトが付いて行けずに「キュルキュル」とすべった高い音がなるのです。
また他の原因としては「ベルトが伸びて張り(テンション)が弱くなる」こともありますが、それは少し古いタイプです。
最近は”調整不要”のストレッチベルトが多く、従来使われていたVベルトに比べると「亀裂が入りにくい」などの特徴もあります。
ちなみにベルトの張替えも「ストレッチベルトリムーバー」という特殊工具を使います。
他のWEBの解説サイトだと昔ながらの「Vベルト」の話が多かったので、DIYでベルト交換する際は気を付けてくださいね。
ベルト鳴きを放置しておくとどうなる?
ベルトが異音を鳴らしているけど気にしないで乗っていると、最悪ベルトが切れます。
車の補機ベルトは「エンジンの回転を他の部品に伝える大事な役割」があるので、ベルトが切れれば
- エンジンが掛からない
- オーバーヒートを起こす
- エアコンが効かない
- パワステが効かない
などのトラブルに繋がります。
ベルトの交換自体は費用もさほど高くありませんから、早めに交換するのがおすすめです。
ベルトの交換費用は?
ベルトの交換は数千円です。
耐久年数としては4~5年くらいと考えて、前回の車検で交換していないなら「今回の車検で交換しておこう」くらいのペースが良いですね。(車検の時にまとめてやっておくと工賃割引があると思います)
ベルトの価格自体も高くはないですし、よほどのケースでない限り10,000円しないくらいが一般的です。
ただ、なかにはベルト交換だけのためにバンパーから脱着しないと出来ない車もあるので、そういった場合はやはり工賃が割高になります。
ベルト鳴き止めスプレーはどうなの?
ファンベルトが鳴きだしたら「ベルト鳴き止めスプレー」で改善されることもあります。
というか、結構これで音が鳴らなくなることは多いです。
ですがスプレーで音が鳴りやんでも、すぐにまた鳴り出すことが多く「一時凌ぎ」と考えて利用する方がよいです。
冬の温度低下でベルトが硬化していることがキュルキュル音の原因であれば、また気温が上がってくればいつのまにか音が鳴りやんでいることもあります。
まとめ
いかがでしたか?
今回は「車のキュルキュル音について」解説してきました。
一般的にキュルキュル音の原因はファンベルトと考えられることが多いですが、他にも
ファンベルト以外のキュルキュル音は?
- プーリー(ベアリング)
- エアコンコンプレッサー(マグネットクラッチ)
これらが異音の原因のこともあります。
これも私たち整備士であれば「この音はベルトかな?」とか「ちょっとエアコンコンプレッサーが怪しいな」と音で聞き分けることもありますが、やはりそれが出来るのは場数のおかげです。
とりあえず普段聞かない異音が車から聞こえるなら、とりあえず整備工場で見てもらうことが大きな故障を防ぐことに繋がります。
「キュルキュル音はどうせファンベルトでしょ?」と決めつけずに一度点検を受けてくださいね。
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