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横滑り防止装置がいらない?義務化は私たちにとってデメリットなのか

こんにちは!

自動車整備士のまいこです!

2018年2月以降「横滑り防止装置(以下、ESC)が軽自動車やバス・トラック・トレーラーなどすべてにおいて装着が義務化」されました。

「独立行政法人 自動車事故対策機構」では、ESCを装備することで事故の発生率が車両単独事故として約44%減少するというデータが発表されています。

つまり「ESCは事故を未然に防ぐ予防安全面においてとても有効な装置」と言えますよね。

 

しかし、なかには「横滑り防止装置いらない!」という意見もチラホラ耳にします。

元々認知度も低く、安全装置としての認識や費用対効果が正しく認知されていない感じのESC。

今回は本当に無くても良いのか?また必要であれば後付けできるのか?

さらに私が考えるESCの未来についてお伝えしていきます!

 

 

横滑り防止装置(ESC)は無くても大丈夫なのか?

まずESCは2012年に普通車が先立って義務化されましたが、それ以前はオプションでした。

ですから「今まで無かったし、それで車の価格が高くなるなら必要ない」という意見もあるでしょう。

また、ESCを簡単に説明すると「スリップなどでに陥ったときにエンジン出力やブレーキを制御して車両を安定させる」ための装置です。

横滑り防止装置(ESC)とは?役割や作動条件など詳しく解説するよ!

 

ただ、走りを楽しみたいスポーツカーなどにおいてはアクセルコントロール、ブレーキコントロール、そしてステアリングコントロールの性能や楽しさが重要な評価ポイントとなります。

サーキットなどのクローズドコースにおいて全開タイムアタックをする際に、わずかなスリップを検知してアクセルをOFFされた上にブレーキまでかけられていてはたまりません。

多くの車両ではESCのキャンセルスイッチを設けていますが、あくまでも「一時的な脱出用途を目的に設けているもの」なので、車両が危険な状態には強制作動してしまうことが少なくないんですね。

上記の理由から「ESCいらない派」は走りを楽しみたい方が多いです。

そのため、義務化になった現在でもアフターマーケット品として強制的にESCの作動を停止するコントローラーが販売されているほど。

しかし、一般道を普通に運転される方にとって「ESCがあって困ることはない」ですから、この点は悩む必要はないと思います。

 

軽自動車にESCいらないという意見については?

ESCはかつて軽自動車にはほとんど採用されていない装備でした。

しかし、国土交通省による義務化をきっかけに、現在の新車販売される軽自動車では「ESCは標準装備」となっています。

また、ここ数年でレーダーセンサーやカメラによる自動ブレーキなども標準装備化が進み、軽自動車は一気に安全性を強化してきました。

田中
実際、販売の現場では「安全性能」を求めて買い換えされる方は多いのですが、同時に「軽自動車も高くなったな!」という驚きの声もよく聞きます。

 

こういった中で「軽自動車にESCなんていらないんじゃない?」という意見もあります。

ですが、万一の衝突に対しての安全性は「どうしても普通車よりも低くなる」ことは否めませんから、やはり軽自動車が進むべき安全性能は「衝突しない」ことだと思います。

そう考えると軽自動車にこそESCは必要な装備であり重要な安全装置だと言えそうです。

 


 

ちなみに、かつてABSの性能が十分で無かった時代は「スポーツ走行においてABSは当たり前のようにキャンセルされていた」時代もありました。

しかし今では「スポーツABS」として極めて高性能化されており、下手にキャンセルすると逆に遅くなるケースも有ります。

ESCも今は走りを追求する上では未成熟な部分もありますが、近い将来に性能は飛躍的に向上して“いらない”という議論が過去のものになると私は予想しています。

 

 

ESCが装備されていない車に後付けできるの?

「ESC義務化になったし安全そうだから後付けできないかな?」という質問をお客様からされたことがあります。

そこでメーカーの開発部署に問い合わせたことがあるのですが、技術的にはESCが装備されていない車に後付けすることは不可能では無いですが「現実的にコストが掛かりすぎるため難しい」という答えでした。

まず、新規にシステムを導入するパターンでは「汎用システムとしてのESCコントローラーが無い」とのこと。

まいこ
つまり後付けするには「一から造れば出来るよ」というもので、本当に現実的な話ではありません。

 

また、上位グレードなど「ESC装着車のシステムをそのまま移植するパターン」では、ブレーキ関連やエンジン関連の制御ユニットとESCコンピューターの、またステアリング舵角センサーやヨーレートセンサーの移植などで実現出来る可能性があります。

しかし、これらも高額な部品が多く、配線類も異なるため数十万円~百万円規模のコストがかかります。

ですから、理屈上は可能でもESCの後付けは現実的ではありません。

 


 

ちなみにメーカーオプションも上位モデルにあるからといって簡単に装備できるものではありません。

これらは工場で車を製造する段階で設定するモノなので、新車発注時にしか装備できないと考えるべきものです。

ディーラーオプションは後付け可能なので、もし新車購入時に予算で悩むことがあれば「メーカーオプションで欲しいものを優先させる」と良いですよ。

 

これから横滑り防止装置(ESC)などの安全装置はどうなる?

日本国内においても義務化を大きな契機として「横滑り防止装置(ESC)が標準装備」されるようになりました。

また、当時は画期的なものだったTCSやABSといった安全装置は、現代では「一つの制御手段(動作)のひとつ」となっています。

車の様々な部品をより多くの情報を元にして「高度にコントロールする」ということで、今後はより統合制御を拡大する方向で飛躍的な進化が予想されます。

ESCはブレーキやエンジン出力をコントロールする「監督」のようなシステムですが、今後においてはこのESCが1つのプログラムとして組み込まれていくことになると思います。

つまり、自動車は「さらに安全に、より快適に向上していく」ということです。

解説するまいこ

少し専門的な話になりますが…

ESCに関しては、現時点で「アクセル・ブレーキ・ステアリング」という基本的な3つの操作を補助的に担っています。

また、それとは別に「快適性」という面で1980年代のトヨタ車には2段階(SOFT/HARD)や、3段階(SOFT/MID/HARD)で乗り心地を変化させるサスペンション(TEMS)が採用されたことがありました。

これは当時からすでに車速の変化やブレーキ動作に応じた減衰力(サスペンションの硬さ)を自動で制御するものもありましたが、現代ではカーナビゲーションによる位置情報と連動させて連続的に自動で変化させるシステムにまで発展しています。

まいこ
とくに電子制御サスペンションは車両の安定性や快適性への影響も大きく、次なる統合制御のカギとなるものです。

 

他にも空力部品であるリヤウイング(スポイラー)の角度を変化させることで速度域に応じた安定性を向上することも、すでに単体のシステムとしては古くから実用化されています。

今後はこのような個別のシステムを高度に統合制御していく中で「ESCはその一部としてプログラムに組み込まれる」という形になり、車両を安定させるという目的に対してあらゆる手段が取られるようになると思われます。

 

その背景には「自動運転技術の発展」が関係しています

ドライバーが自らステアリングを握りアクセルとブレーキを操作して生じた車両の動きは、それがやや唐突でスムースではなかったとしても、運転と結果がリンクしているのであまり不安には感じません。

一方で自動運転の場合には、いわば“車に乗せられている状態”となるため、僅かな衝撃や違和感も、乗員に大きな不安感や不快感を抱かせてしまうという問題があります。

田中
自動運転はまさに人間の運転行動の3要素と同じであり「認知→判断→実行(行動)」という基本プロセスを元に作動します。

 

ここでの認知は各種センサーによるものがほとんどで、Gセンサーなどに限らずフロントガラス上部に取り付けられたカメラによる映像解析もこれに含まれます。

実行というのはモーターや油圧などを使ったアクチュエーターを用いて、実際にエンジン出力だけではなくステアリング操作やブレーキ操作といった最終的な動作を行います。

判断の分野においてはコンピューターによる膨大な情報処理を瞬時に行い、結果が導き出されます。

安全はすべてに優先されるものであり、基礎的な技術が確立し普及しています。

今後はよりドライバーの感性に影響する絶妙なチューニングが施されると共に、自動運転も視野に入れた様々な車の動きや変化を制御することで、より高い安全性を追求していくことになるでしょう。

 

 

おわりに

今回は「横滑り防止装置(ESC)の必要性や未来について」お伝えしてきました。

後半は少しむずかしい話だったかもしれませんが、単なる移動のための機械であった自動車が「今まさに人間の頭脳となり手足となるような変化を遂げてきている」のです。

ESCに関していらないという意見もありますが、不幸な事故をゼロにするためにも「ESC含め今後も自動車の安全技術の向上」には目が離せません。

まいこ
しかし、どれだけ車は進化しても「人間の意識やモラル」は変えられません。

 

自動車の安全技術の向上が高齢者の事故軽減に繋がることは出来ても、煽り運転などのモラルのない行動に関しては簡単に解決できない問題です。

今までもこれからもドライバー自身の「安全運転に対する高い意識とモラルが豊かな交通社会を築き上げる」ことが、安全な未来に繋がることを忘れないようにしなけれないけませんね。

以上「横滑り防止装置がいらない?義務化は私たちにとってデメリットなのか」でした。

 



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寛ぐまいこ

 


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