こんにちは!
現役の自動車整備士まいこです。
今回は「車のマフラーに関する音」について話をしたいと思います!
先日、いつも点検で入庫してくれるおじいちゃんが「ボボボボボッ!」と、マフラーから凄い音を出してやってきました。(実話です)
その音を聞いて「久しぶりに血が騒ぐぜ」と営業の田中さんが何か言っていましたが、もちろん違法改造でマフラーから爆音を出して走ってきたわけではありません。
車のマフラーを改造していないのに大きな音がするのは明らかに異常です。
車のマフラー音がうるさくなった場合は「マフラーに穴があいた」ことが原因として考えられます。
マフラーに穴が開くのは物理的に起こりうることですが、
- なぜ穴が開いたのか?
- マフラーに穴が開いても修理できるのか?
- 穴が開かないように何か予防は出来るのか?
こういった点について詳しく解説していきたいと思います。
また、爆音ではなくてもマフラーから「カタカタ」や「ポコポコ」というような異音が発生することもよくあります。
こちらについては記事の後半で解説していきますね。
車のマフラー音がうるさい!なぜマフラーに穴が開くの?
マフラーに穴が開く原因は、ほとんどの場合で以下の2つです。
- 錆(さび)や経年劣化による腐食
- 振動や衝突による破損
例えば、縁石などや大きな石に衝突してマフラーに穴が開くのは容易にイメージが出来ますが、マフラーって「そもそも錆びる」ものなのでしょうか?
まずはそちらから解説していきましょう。
そもそも車のマフラーって錆びるの?
この問いに対しては「錆びるものもあれば、錆びない(にくい)ものもある」というのが答えでして、それぞれ素材によって大きく変わってきます。
車のマフラーの素材で新車に多く使用されているのは、
- スチール
- ステンレス
の2つです。
最近の車ではステンレス製が主流ですが、昭和から平成初期ではスチール製のマフラーが多く「錆びてマフラーに穴が開いて」大きな音を響かせながら走っている車を見かけました。
そのため、マフラーが錆びて穴が開くというのはスチール製のマフラーがほとんどです。
また高級スポーツカーでは「チタンマフラー」もあり、チタンはマフラーの素材としては強度や耐久性を考えても最高と言われていますが、価格が高いので一般車には採用されていないのが現実です。
他に部分的に「カーボン」「アルミ」などを部分的に利用したマフラーもあります。
ただ、ステンレス製のマフラーでも「錆びにくい」だけで錆びによる腐食は起こるので使用状況によっては車の下回り洗浄は行いたいところです。
スチール製マフラーでも錆びる!予防することが大事です
スチール素材は「錆びにくい」のですが、使用状況によっては錆びは発生します。
車の下の事だから自分たちじゃ気を付けようがないと思われるかもしれませんが、気を付けたいのは「融雪剤」です。
融雪剤は、簡単に言えば塩化カルシウムや塩化ナトリウムといった「塩」ですから、車体に付着したままだと錆を進行させる原因になります。
ですから、冬のレジャーなどで雪道を走行した場合は「下回りの洗浄(洗車場のスチームなどで)」は錆び防止のためにも行いたいところですね。
ステンレス製のマフラーが錆びるということは、その他の取付金具なども錆による腐食が発生する可能性があるので注意してくださいね。
マフラーに穴が空いた!修理は一体どうする?
車のマフラーに穴が開いても「音がうるさいだけなら自分は気にしない」と放置しても問題ないかというと、そんなわけはありません。
というのは、マフラーに穴があいた状態では車検に通りませんし、整備不良ということで警察に捕まってしまうこともあります。
しかし、マフラーの新品交換は安くても2,3万円、高いと7,8万円と修理費用は結構掛かるので、穴が小さいのであれば応急処置的にお値打ちに修理をしたいですよね。
小さいマフラーの穴は「一時的に塞ぐ」ことも出来ます
マフラーの補修として一般的なのは、以下の3つです。
- 溶接
- パテ埋め
- アルミテープ
以下にカーケア用品で有名な「ソフト99」のマフラー補修動画を見て、どんな感じでマフラーの穴を補修するのか見ていきましょう。
一般の方が直接検査場に持ち込んで受ける「ユーザー車検」などでは、パテ埋めやアルミテープで取り急ぎ穴を塞ぐことが多いですが、錆びて穴があいた場合は溶接でも一時凌ぎにしかなりません。
マフラーの表面の錆を綺麗にとってからパテ埋めや溶接をしても「マフラー内側の錆はとれない」ので、そこからジワジワと穴が広がってしまいます。
ですから、錆によって穴が広がってきたら「最終的にマフラー交換」は覚悟しておきましょう。
なぜ穴が開いたら爆音になるの?マフラーの構造について
これは少し専門的な話になりますが「空洞共鳴」と言いまして、空洞の中が振動状態にある時に小さい音でも共鳴して凄く大きな音になることを言います。
マフラーで言えば、排気ガスは高音かつ高圧力で振動を起こしていますので「空洞共鳴音」が発生して、その音を軽減させるためにマフラー(消音器)が必要になってくるわけです。
マフラーは「サイレンサー(タイコ部分)」にグラスウールなどを施して消音させていますので、その途中で穴が開いてしまうと「消音前の大きな音が漏れる」わけです。
ですからエンジンからサイレンサーの間にある「パイプ部分」に穴があいた場合は、サイレンサーに開いた時よりも「大きな音が鳴り響く」ことになります。
その他のマフラーからの異音は?
「音がうるさい!」というほどではなくても、マフラーから気になる異音が発生することは多々あります。
せっかくなので合わせて解説していきたいと思います。
マフラーから「カタカタ」というような異音
「カタカタ」と何かが当たっているような音の場合は、マフラーを吊り下げるゴム(マフラーハンガー)が劣化していることが多いです。
このゴムは「マフラーの振動を吸収する」のが役割ですが、経年劣化してくると振動を吸収しきれずにボディーと接触することが出てきます。
吊りゴムの交換だけであれば「工賃含めても数千円」ですから、早めの交換がおすすめです。
マフラーから「ポコッポコッ」という異音が聞こえる
アイドリング状態で長時間停車していると、マフラーから「ポコッポコッ」というような音が聞こえてきます。
この音が聞こえたら外に出てマフラーの排気口をみると「水が出ている」のではないでしょうか?
これはガソリンを燃焼させると「水が発生する」ので、水が出ること自体は異常や故障ではなく正常な状態です。
通常、発生した水は走行することで熱や排気ガスの噴出とともに外に出ますが、アイドリング状態だと排出しきらないので「ポコッポコッ」と音が鳴ります。
マフラーに水が溜まっていると気になるという場合は、空ぶかしすることで勢いよくマフラーから水が排出されます。(車の後ろに人や物がないことを確認して行いましょう)
あとは走行してマフラーが高温になれば蒸発するので問題ありません。
まとめ
いかがでしたか?
今回は「車のマフラーに関する音」について解説してきました。
ちなみに「冒頭で血が騒ぐぜ」と言っていた営業の田中さんは、昔乗っていた日産ローレルのマフラーがスチール製で「錆による穴がどんどん広がってしまった」とのこと。
違法改造したり暴走族でも何でもない「ただのメガネ」が、マフラーに穴が開いたまま走っていたという話でした。
このように一昔前だとスチールマフラーで錆びて穴が開いている車も多かったのですが、最近はステンレス製のマフラーが主流になっているので「マフラーに穴が開いてうるさい」という車は少なくなっています。
とはいっても、冬山に遊びに行く方や海岸沿いをよく走る方は「ステンレスでも錆びる」ので、車の下回り洗浄は定期的に行うことで錆予防になるので行ってくださいね。
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