こんにちは!
自動車整備士のまいこです!
少し前の話になりますが、ハイブリッド車や電気自動車に続く「第3のエコカー」と称して
- アイドリングストップの本格導入
- 車体の軽量化
- 空気抵抗の削減
を行い、低燃費ガソリン車が続々登場したのを覚えていますか?
そこから軽自動車では、アイドリングストップ付き車が標準になっており、もう軽トラックやバン以外は全部アイドリングストップ車だと思います。
軽自動車や一部の普通車で幅広く採用されているアイドリングストップ車。
最近では、アイドリングストップ車について疑問の声も出てきているようです。
例えば、
- アイドリングストップを利用する事で燃費はどれくらい向上するのか?
- アイドリングストップ専用のバッテリーの寿命は短くないのか?
- アイドリングストップを永久解除することは出来ないのか?
このような声は私のお店でもよく聞きます。
というわけで、今回はアイドリングストップに対する疑問の声について全てお答えしていきます!
アイドリングストップ車とは?
アイドリングストップ車とは、信号などで一時停車する時に自動でエンジンをオフにする機能です。
エンジンがオフになっても、ブレーキを離すと自動でエンジンが再始動します。
参照元:スバル
アイドリングストップを行う事で、
- 燃料の節約
- 排出ガスの抑止
が期待できるというわけですね。
アイドリングストップの効果は?本当に燃費は向上するの?
例えば、環境省のデータでは「ガソリン車で10分間アイドリングすると0.14リットルのガソリンが消費される」と公開してます。
ガソリン車というのが大雑把過ぎますが、別のデータでは
- 2,000ccクラスのガソリン車を1時間アイドリング状態にする…約1Lのガソリンが消費
- 軽自動車を1時間アイドリング状態にする…約500ccのガソリンが消費
と、なっているので、環境省のデータは1,000~1,500ccクラスのガソリン車だったのかもしれませんね。
この事から、アイドリングストップの累計が1時間あれば、おおよそ0.5~1Lのガソリンの節約になると考えられます。
しかし、「エンジン始動時に排出する排気ガスの調査」では、
エンジンの始動時には、一般に排ガスの量が増えます。この時の排出量は自動車の種類によって異なりますが、ディーゼル車における窒素酸化物(NOx)の排出量の調査では、20秒強のアイドリングに相当する量だったという結果が得られています。
引用元:環境省
と書かれています。
エンジン始動時には、多くの排気ガスを排出するということですね。
またガソリンも同様に、
「東京都環境科学研究所の実験データでは3~5秒以上アイドリングストップするのであれば、燃費削減の効果がある」
とされています。
少しひねくれた解釈に聞こえるかもしれませんが、エンジンの始動時は走行時よりも燃料の消費も排ガスの排出量も増えるので、アイドリングストップしても再始動までの時間が短いと効果が無いとも言えますよね。
実際、信号待ちでアイドリングストップしても、すぐにエンジンを再始動することは結構あると思います。
ただ、そうは言っても常に5秒以内にストップと再始動を繰り返すわけでもありませんから、総合的に考えると「効果はゼロではない」でしょう。
ストップと再始動の効率が悪い場合は燃費が向上するとも言えなさそうですから、すこし気をつけて運転するとよいですね。
アイドリングストップ専用バッテリーの寿命って短いの?
整備工場に点検を出して「(まだ1年目なのに)バッテリーの電圧が低いので交換が必要です。」と言われた話もよく聞きます。
アイドリングストップ専用バッテリーは、高い充電・放電・始動回数に耐えられるように、特殊な合金を使用したり工夫が施されています。
ゆえに値段も通常のバッテリーより高いのに、1年で交換と言われたら怒れちゃいますよね。
でもそれは、バッテリーが寿命なのではなく、もしかしたらテスターの測定が悪いのかもしれません。
アイドリングストップ車のバッテリーは、普通の車に搭載されているバッテリーと比べて放電されている状態が長いです。
そのため電圧が下がったり、始動性能の測定値が低かったりして、バッテリーは正常なのに「要充電」「要交換」と判定されるケースがあります。
その判定結果をそのまま伝える店が多いので「アイドリングストップ車のバッテリーは寿命が短い」と言われているのだと思います。
もし仮に1年でバッテリーを交換しないといけないなら、走行距離が年間5万km以上は走っているような過酷な使用状況下の場合です。
普通に街乗りで使用しているだけなのに1年でバッテリーが寿命?
1年でバッテリーの電圧が低いと言われるようなケースとして、もう1つ。
アイドリングストップ車は、バッテリーの電圧が弱くなると「アイドリングストップしない」ように設計されています。
(信号待ちの交差点でアイドリングストップして、エンジンが再始動せずに立ち往生してたら大問題になりますからね。)
この症状が「距離も乗ってないし1年しか経っていないのに出た」なら誤測定ではありません。
確実に電圧が下がっているので症状として表れています。
「アイドリングストップ車を普通に街乗りで使用しているだけなのに1年くらいでバッテリーが弱くなった」という場合の対応策として、アイドリングストップを解除して運転してみてください。
私がお客さんの話を聞いている限りでは、
- あまり遠出をせずに街乗りで使用している
- アイドリングストップは解除しない
という方に1年くらいでバッテリーの電圧が下がることが多いように思います。
ということは「バッテリーの充電がされていない」可能性が高いです。
普段は買い物や近場でしか車に乗らないのに「充電のために遠出をして下さい」というのも無理があるので、それだったらアイドリングストップを解除して充電時間として当てた方が良いでしょう。
なぜ通常用のバッテリーではなく、アイドリングストップ専用バッテリーを付けないといけないのか?
アイドリングストップ車には専用のバッテリーを搭載するのが一般的ですが、通常のバッテリーが使用出来ないわけではありません。
ただ、アイドリングストップ車は、通常の車と比べると
- アイドリングストップ中(停止中)にバッテリーが充電されない
- エンジンの始動回数が通常の10倍以上!それだけ放電と充電を繰り返す
というように、バッテリーにとっては過酷な状況となっています。
しかし、そのような過酷な状況にも耐えられるように、アイドリングストップ専用のバッテリーは通常のタイプとは、「入出力性能」「耐久性能」の面で大きく強化されています。
具体的には、
- 充電受け入れ性能は、通常のバッテリーの1.3~1.5倍、
- 寿命は、通常のバッテリーの2.5~3倍
と言われています。
また、アイドリングストップ車に通常のバッテリーを搭載すると、
- 通常バッテリーの20%ほどしか性能が発揮できない
- アイドリングストップ機能が作動しない場合がある(電圧が弱い)
などの問題が発生します。
通常のバッテリーで車が動かないわけではありませんが、いつバッテリー上がりなどのトラブルになるかわからない不安は付きまといます。
お勧めは出来ません。
アイドリングストップ車に乗る理由
アイドリングストップ車について書いてきましたが、正直良いのか悪いのか分からなくなってきますね。
「燃費や排出ガスは多少改善されそうだけど、バッテリーは通常のものよりも高いし、コスト面で考えると逆に損してない?」という声も聞こえてきそうです。
しかし、
例えば、東京都内に登録されているすべての自動車(約400万台)が、アイドリングを毎日10分間ずつ短縮したとすれば、1年間で、
- 燃料は約20万キロリットル(ドラム缶約100万本分)
- 二酸化炭素の排出量は約13万トン(日本全体の排出量の約5万人分)
が削減できます。
引用元:環境省
と、あるように、アイドリングストップ車だけではなく、ハイブリッド車も電気自動車も「環境問題が優先される」のではないでしょうか。
アイドリングストップ車に乗っているということはエコロジー(自然環境保全)をしているということです。
アイドリングストップって永久解除出来ないの?
アイドリングストップキャンセラーを取り付ける
アイドリングストップ車で、
- エアコンが送風に切り替わるのがイヤ
- 信号待ちからスタートするのにセルが回ってワンテンポを遅れるのがイヤ
- いちいちオフスイッチを押すのがイヤ
という方にお試し頂きたいのは、
アイドリングストップキャンセラーです。
※自分の車に対応するか事前に確認してください。
アイドリングストップキャンセラーは永久にオフの状態にするわけではなく、エンジンを切って再始動した場合でも「オフ」の状態を記憶しておくので、純正の切り替えスイッチでON/OFFの切り替えも通常通り行えます。
ただし、こういった社外品を取り付けてアイドリングストップに異常が出ても「保証対応出来なくなる」可能性は非常に高いです。
その点はご理解の上「アイドリングストップ機能がいらないなー」と考えている方はお試しください。
まとめ
アイドリングストップについて書こうと思ってネットを覗いてみたら、「アイドリングストップ車の評判はあまり良くないのかな」と思いました。
ただ、中には「これって正しい情報?」というのも多かったです。
<アイドリングストップ車のまとめ>
- アイドリングストップは燃費向上に効果はあります。
- アイドリングストップ専用バッテリーの寿命は短いわけではありません。
- アイドリングストップがイヤな場合はキャンセラーがあります。
- アイドリングストップ車のオーナーはエコロジーに貢献してます。
いかがでしたか?
アイドリングストップ車に乗っている方だと、気になる部分もあったのではないでしょうか?
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